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[ 213] 厚生労働省:「食品に含まれるカドミウム」に関するQ&A
[引用サイト]
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2003/12/h1209-1c.html

食品中に含まれるカドミウムについて国際基準が検討されていると聞きましたが、どうなっているのですか?
2003年12月に国際基準案について我が国が修正意見を提出したと聞きましたが、その内容はどのようなものですか?
カドミウムは、鉱物中や土壌中などに天然に存在する重金属で、銀・銅・亜鉛などの金属とともに存在することから、日本においては1千年以上前から鉱山開発などにより、地中から掘り出されてきました。
食品を摂取した場合に、食品中のカドミウムの一部が体内に吸収・蓄積されることから、カドミウム濃度の高い食品を長年にわたり摂取すると、腎機能障害を引き起こす可能性があります。FAO/WHO食品添加物専門家会議(JECFA)では、カドミウムは腎臓に蓄積し、また、体内での半減期が長いことから、腎皮質のカドミウムが定常濃度になるのに40年以上かかるとしています。また、中高年以上の女性についてリスクが高いとされています。
なお、イタイイタイ病は、高濃度のカドミウムを数十年にわたり摂取し、さらに、栄養不足等が重なったことにより引き起こされたものです。今回検討が行われているような低濃度のカドミウムの摂取とは状況が全く異なっており、こうした低濃度の摂取でイタイイタイ病が発症することは考えられません。
日本には、全国各地に鉛・銅・亜鉛の鉱山や鉱床が多数あります。カドミウムは、このように天然に存在し、鉱山開発や精錬などの人の活動によって環境中へ排出されるなど、いろいろな原因により水田などの土壌に蓄積してきました。
お米等の作物に含まれるカドミウムは、作物を栽培している間に、水田などの土壌に含まれているカドミウムが吸収され蓄積したものです。
お米(玄米)のカドミウム含有量について、全国のさまざまな地域(約3万7千点)を調査した結果を見ると、日本産のお米1kg中に含まれるカドミウム量は平均して0.06mg(=0.06ppm)でした。
濃度別にみると、鉱山からの排出など人為的に土壌がカドミウムに汚染されていることによると考えられる0.4ppm以上は0.3%となっています。
厚生労働省の研究機関である国立医薬品食品衛生研究所は、1977年度から毎年、日常食の汚染物質の摂取量調査注1を行っています。2004年度の調査結果によれば、日本人の日常食からのカドミウムの1日摂取量は、21.4μg注2であり、1995〜2004年の平均と比較すると、この10年間ほぼ横ばいとなっています。
また、このカドミウムの摂取量をFAO/WHO合同食品添加物専門家会議注3が定めたカドミウムの暫定耐容摂取量注4(人の体重1kg当たり1週間7μgまで)と比較すると、人の体重を50kgとした場合、食品からのカドミウムの摂取量は暫定耐容摂取量の約4割注5に当たります。
国立医薬品食品衛生研究所が、地方衛生研究所と協力して行っている調査です。食品を集めて調理し、食品中に含まれるカドミウムの濃度を分析し、国民栄養調査の食品摂取量を基に、1日当たりの汚染物質摂取量を推定しています。
FAO/WHO合同食品添加物専門家会議とは、国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)が合同で運営している専門家により構成される機関であり、食品添加物や環境汚染物質等のリスク評価を行っています。
毒性試験などに基づくリスク評価により、人が一生涯、毎日続けて摂取したとしても健康に悪影響を与えない量として推定されているものです。
また、諸外国のカドミウム摂取量については、2003年6月に開催された第61回FAO/WHO食品添加物専門家会議(JECFA)の報告書によれば、各国の調査に基づくカドミウムの平均的な摂取量は0.7〜6.3μg/kg体重/週、また、WHOが公表している世界の各地域ごとの食品の消費量とカドミウム濃度から得られた地域ごとの平均的なカドミウム摂取量は2.8〜4.2μg/kg体重/週となっています。
我が国のお米のカドミウムの基準値は、食品衛生法に基づく規格基準として、「玄米は、カドミウムを1.0ppm(1kgの玄米中に1.0mgのカドミウム量)以上含んではならない」と定められています。したがって、1.0ppm以上のお米(玄米)は、販売や加工などが禁止され、実態として焼却処分されています。
農林水産省では、1970年から0.4ppm以上1.0ppm未満のお米(玄米)を農家から買い上げ、非食用に処理しています。
また、お米(玄米)のカドミウム濃度が1.0ppm以上となる水田は、汚染した土を入れ替える客土工事や住宅地への転用などの土壌汚染対策が行われています。これは、問2のとおり、お米のカドミウムによる汚染は、水田土壌がカドミウムに汚染されたために起こるからです。なお、土壌の汚染が進行しないように、鉱山等からのカドミウムの排出を抑制する規制が取られています。
さらに、お米(玄米)のカドミウム濃度が0.4〜1.0ppmの水田には、出穂時期に水田の水を張ったままにすることや石灰等を用いて土壌のpHを中性にすることにより、水稲のカドミウム吸収を抑制するといった営農技術対策が行われており、現在その普及に努力をしているところです。
食品中に含まれるカドミウムについて国際基準が検討されていると聞きましたが、どうなっているのですか?
食品中のカドミウムの国際的な基準については、1998年からコーデックス委員会(注)において検討が行われてきました。同委員会の食品添加物・汚染物質部会においては、当初、お米(精米)1kgに含まれるカドミウムの上限許容量を0.2 mg ( = 0.2ppm)とする基準値案が提案されていましたが、2004年年3月に開催された同部会において上限許容量を0.4 mgとする案に変更され、小麦、野菜などの基準値原案と併せて、コーデックス総会に諮ることが合意されました。
2005年7月に開催されたコーデックス総会での検討の結果、これらの基準値原案のうち小麦、野菜等については採択され、精米及び軟体動物(海産二枚貝、頭足類)は、食品添加物・汚染物質部会において引き続き検討が行われることとなりました。
2006年4月に開催された食品・汚染物質部会においては、精米については0.4mg/kg、軟体動物(海産二枚貝、頭足類)については2 mg/kgの基準値案をコーデックス総会に諮ることが合意され、同年7月に開催されたコーデックス総会において、これらの基準値案が国際基準値として最終採択されました。
コーデックス委員会は、FAO/WHO合同食品規格委員会が正式名称であり、1962年にFAOとWHOが合同で設立した国際的な食品規格等の策定を行う 政府間機関です。
問7のとおり、コーデックス委員会において、2006年7月まで食品中のカドミウムの国際基準が検討されていました。基準を検討するためには、その科学的基礎となるカドミウムのリスク評価が必要です。そのため、2000年6月にFAO/WHO合同食品添加物専門家会議においてカドミウムのリスク評価が実施されました。しかしながら、リスク評価を行うためのデータが十分でなかったことから、新たな疫学調査等の実施が求められました。
この勧告を受け、我が国においてカドミウム摂取と健康への影響に関する疫学調査等を実施し、2002年11月に同専門家会議に対して、疫学調査結果と農作物等のカドミウムの含有実態調査結果を提出しました。
2003年6月に、我が国が提出した調査結果など最新の科学的データを基に、再度カドミウムのリスク評価がFAO/WHO合同食品添加物専門家会議で行われました。その結果、カドミウムの暫定耐容摂取量(人の体重1kg当たり1週間7μgまで)を維持することが決定されました。
2005年2月に開催された第64回専門家会議においては、カドミウムの摂取量の評価が実施されましたが、我が国からも前回の専門家会議以降に得られた新しいデータなどを提出し積極的に貢献しました。その結果、コーデックス委員会で検討されている基準値案とその上下の値を設定した場合の影響を比較した場合、総カドミウム摂取量の変化はほとんどなく、健康上のリスクの観点からもほとんど影響がないと結論づけられました。
2003年12月に国際基準案について我が国が修正意見を提出したと聞きましたが、その内容はどのようなものですか?
2003年12月、我が国はコーデックス委員会に対して、お米(精米)1kgに含まれるカドミウムの上限許容量を0.2 mg ( = 0.2ppm)から0.4 mgとするなど個々の食品について具体的な基準案の修正意見を提出しました。この内容は、国民の健康保護を最優先とし、その上で、我が国で流通している農作物中のカドミウム含有量の実態や日本国民のカドミウム推定摂取量を踏まえたものです。2004年3月に開催されたコーデックス委員会食品添加物・汚染物質部会において、米の上限許容量を0.4mgとする案に変更することが了承され、さらに検討を進めることとなりました(問7参照)。
我が国におけるカドミウムの摂取量の推定には、2種類のデータを用いました。1つは日本人がどんな食品を1日あたりどれだけ摂取しているかというデータ(国民栄養調査)、もう1つは農作物等がどれだけカドミウムを含有しているかというデータ(農水産物に含まれるカドミウムの実態調査結果)です。この2つのデータからランダムに数値を取り出し、その2つの数値を掛け合わせる作業を10万回繰り返し、掛け合わせた数値について、その分布を作成しました(下図参照)。掛け合わせた数値がカドミウムの摂取量の推定値と考えられます。
また、基準を設定した場合のカドミウム摂取量の変化についても推定(シミュレーション)を行いました。基準を設定した場合、基準値を超える農水産物は流通しなくなることから、いくつかの基準値シナリオを設定し、それぞれについて基準値を超える農作物等のデータを除外し、摂取量の計算を行いました。修正案を我が国に適用した場合の摂取量(平均値及び95%値)を推定すると、カドミウムの暫定耐容摂取量 (人の体重1kg当たり1週間7μgまで)を下回っており、安全は十分に確保されていると考えています。
食品中に含まれるカドミウムの摂取の安全性確保について、現在、厚生労働省は食品安全委員会に健康影響評価(リスク評価)をお願いしています。この健康影響評価の結果が出された後に、薬事・食品衛生審議会で議論を行い、できるだけ速やかに国内基準を設定することとしています。

 

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